「展覧会の絵:山下和仁ギター」/演奏はすごいけど録音が・・・その1

前に「すごいテクニックのギタープレーヤー」という記事の中で「展覧会の絵」の動画を紹介しましたが、この曲を初めて聴いたのは、中学校の音楽の時間でした。

当時、LPなどはまだ一部の人のもので、学校では昔ながらのSP(今の人には分からないだろうなあ:*1)を電蓄(今の人は何だそれ?でしょう:*2)で聴かせていました。

*1 SP=33.1/3rpmのLPレコードが出てから、従来の78rpmのレコードを「standard playing」つまりSPレコードと呼ぶようになったのです。
SPはLPのビニールとは異なりシュラックという材質で出来ていて、硬く割れやすいものでした。

*2 電蓄=電気蓄音機の略称です。
蓄音機という、レコードに掘られた溝を竹や鉄の針で拾ってラッパの根本にある振動板を震わせることで、ラッパから増幅された音が出る機械を電気化したもので、レコードから拾った振動を電気的に増幅してスピーカーから鳴らすようにしたのが電蓄です。 当然まだステレオではなくモノラルでした。

授業は全曲通してではなく、いくつかのパートを聴いて感想文を書くというものでした。
1パートを聴くたびにレコードを裏返したり取り替えたりと、CD全盛の現在から考えるとなんともまどろっこしいものでしたが、今では懐かしい思い出です。

この時聴いたオーケストラによる「展覧会の絵」がムソルグスキーの作品だとばかり思っていましたが、あれはラベルによる編曲であって、原曲はピアノ組曲だったということを知ったのはだいぶ後になってから、EL&Pのアルバム(1971年)を聴いた後でした。
その後、冨田勲のアルバム(1975年)も聴いたりしましたが、肝心のオリジナル、ピアノ組曲を聴いていませんでした。

ピアノ組曲を聴いた感想は、オーケストラ版のような華やかさはなく原曲はこういう感じだったのか? というものでした。
「展覧会の絵」はムソルグスキーが友人の遺作展を見た印象を音楽にしたということです。 その会場は美術学校ということで、大きな美術館の華やかな展覧会ではなかったと思われます。
オーケストラの音よりもピアノ1本の音のほうがより原題のイメージに近いような気がします。


数年後、山下和仁の展覧会の絵のLPの一部でしたが、聴いた途端に多彩な音の表現とそれまでのギター音楽では考えられない演奏内容に圧倒されました。

ただ当時はすでにギターを弾くのを止めていたので、すごい演奏者が出てきたとは思いたtのですが、それ以上の関心は持ちませんでした。


それから何十年も経過して、1年ほど前にギターを再び弾きだした時に、このアルバムを思い出してCDを買いました。


画像



1. 組曲「展覧会の絵」 I.プロムナード~こびと
2. 組曲「展覧会の絵」 II.プロムナード~古城
3. 組曲「展覧会の絵」 III.プロムナード~テュイルリーの庭
4. 組曲「展覧会の絵」 IV.ビドロ(ポーランドの牛車)
5. 組曲「展覧会の絵」 V.プロムナード~卵のからをつけたひなの踊り
6. 組曲「展覧会の絵」 VI.サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ
7. 組曲「展覧会の絵」 VII.リモージュの市場
8. 組曲「展覧会の絵」 VIII.カタコンブ
9. 組曲「展覧会の絵」 IX.バーバ・ヤーガの小屋
10. 組曲「展覧会の絵」 X.キエフの大門
11. 組曲「火の鳥」 I.序奏
12. 組曲「火の鳥」 II.火の鳥とその踊り
13. 組曲「火の鳥」 III.火の鳥の変奏曲
14. 組曲「火の鳥」 IV.王女たちの踊り
15. 組曲「火の鳥」 V.カスチェイ王の魔の踊り
16. 組曲「火の鳥」 VI.子守歌
17. 組曲「火の鳥」 VII.終曲


16歳の時にラミレス(スペイン)、アレッサンドリア国際(イタリア)、パリ国際(フランス)の世界三主要ギター・コンクールで史上最年少記録の1位となった、山下和仁が1981年20才の時に録音した「展覧会の絵」です。

「火の鳥」は4年後の1985年に録音したもので、CDになってから2枚のアルバムがカップリングされました。


最近、YouTubeで山下和仁の若い頃の映像が見つかり(前回紹介した映像)、その中に「展覧会の絵」の一部があったので、聴いてみたところ、ちょっとCDとは違うように感じたのです。

CDと映像を聴き比べてみると、CDの方は当たり前ですが丁寧に演奏されていて、音に破綻がありません。
それに比べると映像はライブのためちょっと雑な演奏になっています。 ただ、CDに比べると演奏に勢いや華やかさが感じられ、実際に出ている音もCDとは異なっていました。

スタジオ版アルバムとライブの演奏が異なる(出来の善し悪しではなく演奏内容そのもの)というのはクラシックギターやクラシック界では異端なのではないだろうか。

そういう意味では、ボクの好きなジミ・ヘンドリックスに似ている? なんて、ちょっと無理なこじつけでした。

すでにアルバムを聴いて彼のことを知っている人でも、実際にこの時のライブに接したら、ぶっ飛んでしまうだろうと
思います。 この時代の山下を見たかったなあ・・・・


つづく

(長くなってしまったので2回に分割します。 だらだらと読みづらくてすみません)


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おまけです。

YouTubeに山下和仁によるサラサーテ作曲「チゴイネルワイゼン」の音が見つかりました。

削除: toshiさんからの指摘で確認したらmidiによる打込みだったことがわかったので、おまけは削除しました。
すでに聴いた方にはボクの勘違いでご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。





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この記事へのコメント

toshi
2012年03月23日 22:36
このチゴイネルワイゼンはMIDIですよね(^-^)/
ひぐらし
2012年03月24日 23:25
toshiさん、ご指摘ありがとうございます。
確認したらやはりMIDIでしたので、この部分を削除しました。
山下和仁の動画を調べている中にあったので、勘違いをしてしまいました。 こういうことには充分気を付けなければいけないと反省しました。

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